亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~



ダンテは驚くマナとアオイの前に歩み出ると、金髪の女の真っ直ぐな鋭い眼光を受け止めた。
改めて前にした彼女の眼光は、やはり神々しく、そして気をつけていないと足が竦みそうだった。



…何のために?

自分は何故、そんな事を聞いているのだろう。こんな異端者などと話しているのだろうか。

自分自身に、驚きを隠せない。






…ひたすら、重なる視線。

逸らしてしまいたくて仕方ないが、あの青い瞳を逸らす事が出来ない。

嫌になるほど綺麗で、澄んでいて。
それなのにあの瞳は、その美しさに似つかわしくない強さを秘めていて。









不意に、彼女は微笑んだ。

形のいい赤い唇が弧を描き、微かに白い歯が覗く開いた口が、ゆっくりと言の葉を紡いだ。
































「―――理由など、何とでも言える。私は、私の信じるままに、ここにいるだけだ」


















…異端者め。





異端なる、者め。













お前達は何故こうも。











“違い”というものを、感じさせるのだ。


































「―――…アルテミス」


…ダンテの呟きに、マナとアオイは驚きのあまり大きく目を見開いた。…金髪の女は小首を傾げている。

「……『アルテミス』?………それは、デイファレトの三大世界樹か?」

「………………長老は、常にアルテミスと共にある。…探すなら、アルテミスを探すのが手っ取り早い。………後は自力でやりな」

「………感謝する」







…このダンテの思わぬ奇行は、二人を度肝を抜くには充分だった。
信じられない、とでも言うかの様な表情で、マナは息子を見下ろす。