ダンテは驚くマナとアオイの前に歩み出ると、金髪の女の真っ直ぐな鋭い眼光を受け止めた。
改めて前にした彼女の眼光は、やはり神々しく、そして気をつけていないと足が竦みそうだった。
…何のために?
自分は何故、そんな事を聞いているのだろう。こんな異端者などと話しているのだろうか。
自分自身に、驚きを隠せない。
…ひたすら、重なる視線。
逸らしてしまいたくて仕方ないが、あの青い瞳を逸らす事が出来ない。
嫌になるほど綺麗で、澄んでいて。
それなのにあの瞳は、その美しさに似つかわしくない強さを秘めていて。
不意に、彼女は微笑んだ。
形のいい赤い唇が弧を描き、微かに白い歯が覗く開いた口が、ゆっくりと言の葉を紡いだ。
「―――理由など、何とでも言える。私は、私の信じるままに、ここにいるだけだ」
…異端者め。
異端なる、者め。
お前達は何故こうも。
“違い”というものを、感じさせるのだ。
「―――…アルテミス」
…ダンテの呟きに、マナとアオイは驚きのあまり大きく目を見開いた。…金髪の女は小首を傾げている。
「……『アルテミス』?………それは、デイファレトの三大世界樹か?」
「………………長老は、常にアルテミスと共にある。…探すなら、アルテミスを探すのが手っ取り早い。………後は自力でやりな」
「………感謝する」
…このダンテの思わぬ奇行は、二人を度肝を抜くには充分だった。
信じられない、とでも言うかの様な表情で、マナは息子を見下ろす。


