力無く垂れた両手の拳に、ギュッと力が込められる。
盛大に舌打ちをした後……ロキは、握り締めていた槍を勢いよく地面に叩き付けた。
戦慄く唇を噛み締め、見えなくなっていく彼等に向かって、震える声を張り上げた。
「………………行け…よ。……行って………とことん…殺り合えばいいさ。気が済むまで…。………………………………………………勝手に逝っちまえ!!馬鹿野郎共!!」
行ってしまえ。
逝って、しまえ。
分からず屋共め。
その旗の色と同色に染まっても。
幾つもの傷を刻んでも。
手足を裂かれようとも。
首を刎ねられようとも。
勝手にしやがれ。
残された者達の無念など、気にも止めずに。
逝ってこい。
同士達よ。
「―――…こんな灼熱地獄の昼間から元気なことで…何よりですねぇ。元気に暴れて噛み付いて、でも噛まれて刺されて喰われてボロボロ…というのが落ちですが。なんて芸の無い戦争。いえ、戦争と言うにはあまりにも小規模で浅はかで何の面白みもありませんねぇ。…例えるなら、喧嘩?ああ、喧嘩が相応しい。可愛い子猫か子犬のじゃれあいとでも言いますか。…ああ……私のこの目が、大地の果てまで見通せる非常にユニークな眼球でしたら、その愛らしいじゃれあいを拝めるのに……なんともまぁ口惜しいですねぇ。戦場までわざわざ足を運んで行きたいところですが、如何んせん……外に出るのは大嫌いなので、仕方ないですよねぇー…フフフフフ!!……ということはさておき、報告を聞きましょうか、君」
「………あ、はい…報告します」


