亡國の孤城Ⅱ ~デイファレト・無人の玉座~











日が、昇る。


草木も、動物も、人間も何もかも。…生きるもの全てにとって必要不可欠な天の恵みの一つ。
輝かしいそれは昔から神と崇められ、長い時の中で闇夜との舞を繰り返してきた。


暖かい太陽。
柔らかな日差し。
命を生み出す神。








―――いいや、違う。






誰がそんな事を口走ったのか知らないが、少なくとも………この大地では、全く笑えない冗談だ。







暑苦しい火の玉。
肌を焼く鋭利な日差し。
命を絶つ悪魔。










それが、太陽だ。


俺達に、とっての。










数時間前までは顔も覗かせていなかったのに、眩しい灼熱の太陽はいつの間にか足元から目線を通り越し、頭上を駆け登って偉そうに見下している。

見上げたくもない。
その顔を、拝みたくもない。

常しえの夜よ、なぜこんな燃える悪魔といつまでも仲良く舞い続けているのだ。
お前のその漆黒のベールが、全てを覆えるほどの深い闇色に染まっていたら良かったのに。

月と同じ様に、その手中におさめてしまえばいいのに。







あの悪魔は、あれは、人を狂わせる。
おかしく、馬鹿にさせてしまう。

何が正しいのか。何が間違っているのか。



暴れ狂う感情だけを残して、あとは全て持ち去ってしまう。



その餌食にかかった者は、止められない。
………分かっている。

分かっているのに。









叫ばずには、いられない。


















「―――止めるんだ!!止めろ!!」

















悲痛な叫びは、過ぎ去る熱風と砂嵐によって掻き消されていく。