日が、昇る。
草木も、動物も、人間も何もかも。…生きるもの全てにとって必要不可欠な天の恵みの一つ。
輝かしいそれは昔から神と崇められ、長い時の中で闇夜との舞を繰り返してきた。
暖かい太陽。
柔らかな日差し。
命を生み出す神。
―――いいや、違う。
誰がそんな事を口走ったのか知らないが、少なくとも………この大地では、全く笑えない冗談だ。
暑苦しい火の玉。
肌を焼く鋭利な日差し。
命を絶つ悪魔。
それが、太陽だ。
俺達に、とっての。
数時間前までは顔も覗かせていなかったのに、眩しい灼熱の太陽はいつの間にか足元から目線を通り越し、頭上を駆け登って偉そうに見下している。
見上げたくもない。
その顔を、拝みたくもない。
常しえの夜よ、なぜこんな燃える悪魔といつまでも仲良く舞い続けているのだ。
お前のその漆黒のベールが、全てを覆えるほどの深い闇色に染まっていたら良かったのに。
月と同じ様に、その手中におさめてしまえばいいのに。
あの悪魔は、あれは、人を狂わせる。
おかしく、馬鹿にさせてしまう。
何が正しいのか。何が間違っているのか。
暴れ狂う感情だけを残して、あとは全て持ち去ってしまう。
その餌食にかかった者は、止められない。
………分かっている。
分かっているのに。
叫ばずには、いられない。
「―――止めるんだ!!止めろ!!」
悲痛な叫びは、過ぎ去る熱風と砂嵐によって掻き消されていく。


