厚手の生地を押し退けて伸ばされた小さな小さな細い手。 それは意味も無く宙をさ迷い………真っ白な五本の指で、ザイの服を掴んだ。 そっと。 だが、力強く。 「―――…あ…。……ぅ……っ………………うっ…」 抱きしめた身体は、小さい。 しかし、とても温かい。 命の、温かみ。 ……純白の綺麗な産着が、汚れていく。 でも、こうでもしないと…自分が壊れてしまいそうだった。 この小さな命に縋り付く様に、希望を求めるかの様に、ザイは。 涙で汚れていく産着に、どうしようもなく、嗚咽を漏らした。