あたし、我が儘な小娘でしょう?
もううんざりだったでしょう。
………最後の我が儘。
最後だから。終わりにするから。
だから、少しだけ聞いてよ。
…ザイ。
「………あたしの、事………好きじゃ…なく…て…いい。…嫌いになっても…いい。だ…大嫌いでも…いいの。…今、だけ。今だけ。…まだ…まだ……………………………………好きで…いさせて…」
夢の中で、恋をした。
いつかは覚める夢なのに、恋なんかしてしまった。しかもそれは厄介な事に…初恋だった。
こんなの、初めてだった。あたしなんかでも、恋をするんだ。
嬉しかった。とても嬉しかった。
でも、どうしてそれが夢の中なんだろう。
どうしてそんな、叶わない恋なんかしてしまったのだろう。
なんて、儚い想い。
なんて、不毛な想い。
目が覚めれば…何も無くなるのに。
どうしてあたしの恋は、夢なんだろう。
…ああ、もうすぐ消えてしまう。
…どうせ叶わない、どうせ無くなる想いなら……今だけ。
今だけ………この苦しくて、切ない幸せに浸っていたい。
貴方があたしをどう思っても、構わない。
あたしをどう見ようが構わない。
お願いだから……。
貴方が好きだと、言わせて下さい。
どうしようもないくらい大好きだと、想わせて下さい。
恋を、させて下さい。
今、だけ。
「…………好き……ザイ…大、好き。……………………ずっと………ずっと………好…」
「―――泣くな」


