――…凄まじい悲鳴を辿ると、そこに見えたのは応戦していた狩人。
構えていた剣はいつの間にか雪の中に埋もれていた。
雪の中では擬態となる同じ様な白いマントは、彼の鮮血で汚れていた。
………身体を支えていた彼の両足は、今や皆無。
代わりにあるのは、丸く牙が並んだ唾液塗れの悍ましい蟲の口。
地中に潜った蟲に隙を突かれ、膝から下に食らいつかれていた。
………彼の悲鳴と共に蟲の口が下半身から上半身を飲み込んでいくのは………何とも痛々しい、光景だ。
…迸る血は積雪に散り、その周りに点々と赤い氷が出来ていく。
「―――あ……あ…あ゛あ゛ああああああぁぁぁ!!」
腰の辺りまで飲み込まれ…もうあの狩人には成す術が無い。
足掻いた所で、激痛と恐怖が襲うだけだ。
「………」
「………運命、だ。………致し方ない…」
「………でも父さん、反対側にいるあの二人は……………っ…………!?」
食われていく狩人にパッと視線を移すと………。
…視界の悪い降りしきる吹雪を越えて、死に行く狩人の狂気に満ちた鋭い眼光が……………………レトを、捉えた。
…反射的に立ち上がり、思わず後退するレト。
「…レト!むやみに立ち上がるな!!…………っ!?……あの男、何のつもりだ…!!」
レトとザイを崖の上に見つけた狩人は、何をしたいのか…。
………死を間近にして、彼は二人を凝視しながら唯一自由な両手を動かした。
彼の震える血だらけの手に、突如………青く、長い棒の様な物が現れた。
そして青く輝くそれを垂直に構え………。


