世間一般では、狩人は血も涙も無い冷酷非道な、人間の皮を被った獣…なんぞと蔑すんでいるが。
………それは彼等の上っ面しか見ていない人間の愚かな勘違いだ。
金で動く、信用出来ない連中とは聞いていた。
…皆が皆、そうではないかもしれない。その通りの狩人もいるかもしれない。
だが………この、すぐ前を歩く大柄で無口で無愛想な狩人は………何の根拠も無いけれど、信じられる。
…そんな気がする。
(………変なところで物凄い世話焼きなのも、新発見よね…)
…狩人の、実にワイルドな食事の時間。
その時間になる度に、何の肉なのか分からないグロテスクな塊を「食え」と、突き付けられる。
嫌だの何だのと口答えすれば、その肉に含まれている栄養成分がいかに大事なものでいかに素晴らしいか…何故か正座をさせられた状態で説教をされる。
好き嫌いは止めなさい、と一喝してくる彼の厳しい目。
…この時ばかりは、あんた何処のお母さんよ…と、突っ込みたくなる。
「………怒られるなんて…何年振りかしら」
…聞こえたのだろうか。
苦笑混じりにそう呟けば、前を歩いていたザイが不意にこちらを振り返ってきた。
「どうした?」とでも言う様に小首を傾げている。
………数日間共にいただけで、こんなにも人は見方も印象も変われるものなのだろうか。
ふとした時に見せる仕草が、その姿に似合わず無性に可愛いらしく思える。
「………面倒でしょうけど…愚痴、聞いてよ」
「………」
そう言うと、ザイは無言で前へ向き直った。
……何も反応は無いが…一応、聞いてくれる様だ。


