手を繋ぐ相手は長谷川くん!

 無言で砂浜を二人きりで歩く。
 誰もいない浜辺はこないだ見た映画のワンシーンみたい。

 周りの何もかもが夕焼けで真っ赤に染まっていって、すごく神秘的。

 砂浜に二人、並んで座る。

 そっと肩を抱かれて、どんどん長谷川くんの顔が近づく。

 キ、キス――!?

 思わずギュッと目をつぶると、

 柔らかくて温かい、しっとりとした唇の感触。

 初めて触れて感じる温度に、心臓が口から飛び出そう! 

 無意識に息を止めてたのか、苦しくなる。
 そっと薄め目を開けると、

――えぇっ!? お、お兄ちゃんッ!?