途端にグゥと鳴る現金なお腹。
ダイニングテーブルには予想通りのカニグラタンが湯気を立てていた。
お父さんはまだ帰ってなくて、お兄ちゃんもいない。少しホッとする。
ポテトサラダにも目を奪われながら席につく。
「あら? 千衣子可愛いじゃない。お化粧してるの?」
「うん。由真たちに教えてもらったの」
グラタンを口に運びながらお母さんとメイクの話題で盛り上がる。
しばらく話しててもなかなか降りて来ないお兄ちゃんが気になってきた。
「お兄ちゃんは?」
「まだ帰ってきてないみたいね。千衣子送ってもらったんでしょ? また出掛けたみたいよ」
「え!? そうなの?」


