見上げると怒ってるのか、呆れてるのかわからない、 いつもの綺麗な顎のラインと形のいい唇が目の前にあった。 「何? 見とれてんの?」 突然動き出すその唇。 「違っ。違うよ! 見とれてたんじゃなくて」 びっくりしたあたしは、思わず首に回した両手を外して激しく首を振る。 「うわっ! あぶないから! 暴れるなよ、ちゃんと捕まれって」 「う、うん」 再び首にそっと手を回す。 「なんか……ごめんね、お兄ちゃん」 皆を心配させて、お兄ちゃんにも重たい思いをさせて、あたしは少し反省していた。