立ち上がろうとした瞬間

「――っ!!」

 いったぁーーい!

 声にならない激痛が右足首に走る。

――捻挫!?

 慌てて駆け寄る野球部員たちより、

 先に手を伸ばして抱き起こしてくれたのは……。


「須田っ。大丈夫か!?」


 長谷川くん!?


 少し茶色の大きな目が心配そうにのぞきこむ。

 た、確かにサッカー部は近くで練習してたけど。

 肩に回された手、
 軽く抱き締められてるような姿勢に

 大きな音を立ててハイスピードで血流を早める心臓。

 恥ずかし過ぎる!