鞄はぶっ飛び、 中身が飛び出た音がコンクリートの地面に響く。 校舎とグラウンドの境にある数段のコンクリートの階段を、 あたしは、ありえない格好で転げ落ちた。 「いっ……たぁ!」 おでこが、鼻が、 熱い……痛い! 予想もしなかった野球の玉の衝撃と、 元々の運動神経の無さも加わって、 顔面から落ちたらしい。