パタパタと玄関に走るおばさんの足音が聞こえた。と思ったら

「チィちゃーん! お兄さんが迎えに来られたわよ〜」

 その言葉に耳を疑った。聞き間違えじゃないよね? 騒ぐ心臓を抑えて恐る恐る階下を覗くと。いた――!!

 完璧なキラースマイルでおばさんと話してる。まさか迎えにくるなんて!

 予想もしなかった仰天の展開に準備不足の心臓は大わらわ。会いたい気持ちと逃げ出したい気持ちがせめぎ合う。