ハッ……ハッ。
人気のない路地に自分の呼吸する音だけがこだまする。苦しくなってきて頭が痛い。
息も上がりまくってよろよろと足を止めると体を折って膝に手をついた。秋の夜のひんやりとした空気をひたすら体中に送りこむ。
どんだけ走ったんだろう? 少し落ち着いてやっと辺りを見回して気づく。
あれ?
背筋がヒヤッとするようなあの、嫌な感じ。
ここ、どこ?
とうとうやってしまった。近所迷子デビュー?
住宅街を抜けて山道の方まで来てしまったらしい。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…