真っ暗な夜道をひたすら走る。何かに追われているかのように。浮かれていた自分が恥ずかしかった。

 最近すごく忙しそうだったり、いきなり部屋を整理したりおかしいなとは思ったけど。

「アメリカって――」

 走りながら息荒く吐き捨てた。

 何よりお父さんもお母さんも知ってたことがショックだった。

 あたしだけが知らなかったなんて。お兄ちゃんにとってあたしはどんだけちっぽけな存在なんだ!?

 涙が溢れて息苦しくなる。考えれば考えるほど引っ掻き回される様な痛みが胸に走った。