しっかり通った鼻筋。
 顎の尖った綺麗な輪郭。

 はっきりとした二重。
 黒目の大きな瞳に
 長い睫毛がかかる。

 女装すればさぞかし美人に違いない。あたしより……。

「チィはどんな髪型でも可愛いよ」

 形のいい唇が開いて、うっすら微笑んでそう言うと何事もなかったように自分の準備を整えていく。

 絶対嘘だ!
 誤魔化されてる。って思うのに、なぜだか独りでに熱くなる頬が悔しい。

「も、いーや……」

 なんだか脱力して、諦めモードでふらふらとダイニングテーブルにつく。