息継ぎすることも出来ない。

 呼吸が乱れて、
 鼓動は病的に早く大きい、

 超至近距離の長い睫毛や高い鼻。

 その下にあるはずの形の良い唇は、間違いなくあたしの唇と重なっていた。

 まさに唇が奪われてる!

 熱く柔らかい唇がどんどん角度を変えて深く重なっていく。

 ほのかなお酒の匂い。
 舌と鼻先で感じる
 大人の香りに目眩がした。

 熱に浮かされて、体がフワフワする感覚に襲われる。

 まともに働かないあたしの頭に浮かぶのは「!?」ばかり。

 なにこれ!?

 これがキスなら、
 あたしが長谷川くんとしたものはなんだったんだろう!?