お兄ちゃん視線が遠くへ動いた。あたしを通り越して何かを見てる。 一旦告白を飲み込むと、あたしも首だけゆっくりと振り返った。 「――え……!?」 驚いて、瞬きを繰り返す。 少し先の電灯の下に、自転車を引いた制服姿の男子。 「須田……」 「は、長谷川くん!?」 灯りに照らされた気まずそうな複雑な表情。そこに居たのは、確かに長谷川くんその人だった。