目の前の美形男子が醸し出す幻想的な雰囲気に、あたしは完全に飲まれていた。 「別れたアイツは違ったのかな?」 少し、意地悪な響きを感じる。 「あたしは――」 いっそ、言ってしまった方が楽になるんじゃないか。あっさりここで散って終えばまた明日からはただの兄妹に戻れる――ハズ。 初めてあったあの日からあたしの心は囚われたままだから。目の前のこのフェロモン王子に。 あぁ、こう考えると血は争えない。一目惚れは遺伝するのかな?