そう突き付けられて、あたしの存在も完全に閉め出された気がした。なんだか無性に寂しい。 『妹』なんだし当たり前だけど。 「チィは?」 「え?」 質問返しは予想してなくて声が上ずる。 「八重子さんだって、16。お前と同じ年だよね?」 秋の夜風は冷たい。まだ繋がってる手のひらの温もりがはっきりと伝わってくる。距離の近い分、お兄ちゃんの強い目力にすぐ囚われる。 「千衣子はどう? そんな相手がいるの?」 電灯の少ない路地。 月だけが二人を照らす。