お兄ちゃんにも誰かそんな……特別な人がいる? はっきりとした鈍い痛みが胸に走った。聞いてどうする!? 徐々に大きくなる心臓の音。自分でふった話題なのに答えが聞くのが怖くなる。完全に墓穴だ。腰まで穴に落ちてる感じ。 熱かった頬から血の気が引いていくのが分かった。掴まれてる左手に変な汗が滲む。 そんなあたしの忙しい動揺を知ってか知らずかゆっくり口を開いた。 「彼女か――」