『恋』って『人を好きになる』って突然で何の準備も出来ないものなのかもしれない。

 だとしたらもう仕方ない。

 そう思ったら少し楽になった。顔を上げ、少し胸を張ると……大きな手があたしの腕を強く引っ張った。

「うわっ!」

 少し目を細めたお兄ちゃんの綺麗な瞳が、あたしを見てた。