駅への曲がり角へ消えていく、仲良く腕組む二人の背中を見送った。中年二人の後ろ姿に心から憧れた。 いつか、あたしにも――。 チラリと隣を見る。つかず離れずの距離に端正な顔立ちの美形男子が一人。 でも『ご兄妹』だ。 ぐらぐら揺れる気持ち。チクチク痛む心。 『ぜったいうまくいかないだろう恋愛、ナンバー1に輝くほどの環境』で高嶺の花だと自覚してた究極のフェロモン王子に突然の片思いへ突入。 呆れる気持ち 慌てる心 諦めの境地……。