――あ、目が合った。 同じ教室でも廊下側と窓際。 言葉はなく、あの仔犬のような、はにかんだ笑顔で笑いかけられる。 あたしも一応笑って返す。 すぐ目を逸らして、由真たちを見ると違う話で盛り上がっていて気づいてない様子。 「なになに〜?」 騒ぐ心臓を抑えて、 動揺を隠しながら会話に加わった。 ここ最近、 よく長谷川くんと目が合う。 なんでもない事なんだけど、 その度に波打つ心臓。 自分の免疫のなさが情けない。 長谷川くんはサッカー部の先輩マネージャーと噂があるし。 自意識過剰だよあたし!