「昨日つい徹夜でマンガ読んじゃって、それがすごく泣ける話だったんだ〜」 嘘っぽい? 「ふーん?」 疑わしそうな声。 突き刺さる視線が痛い。 「何ジャレてるのよ〜。みんな行くわよ」 完璧に変装したお母さんが勢いよくやってきた。 助かった! 「ぶはっ、ゴホゴホ」 隣で激しく咳き込むお父さん。あ、ごめんお父さん。もう少しで窒息させそうだったかも。 レストランへは歩いて30分。少し離れてるけど、いつも徒歩で向かう。お父さんとお母さんが初めてデートしたイタリアンのお店。