そっと扉から顔を出すと丸い顔と体のシルエット。 お父さん、だけみたい。 「今行く」 安心して降りていく。 「チィちゃん、可愛いね〜。顔も随分マシになったし」 マシって……。 小さく傷つくわ。 「てか、なんでそんな目が腫れてんの?」 「へっ!?」 その声に、軽くもない体が飛び上がる。 ゆっくりと声がした方向に目だけ動かす。 視界の端に見えるリビング。 そこに、その人はいた。 前髪が伸びて今日は少し流してる。 そこから覗く、あの強力な目力の瞳が二つ。垂れ流しの色気が目に滲みる。