黙ったまま、
 呆然としているあたしを、
 引き寄せる大きな手。

「足りない――」

 そう言って、
 強引に
 抱き寄せた。

 強い力。

 痛みを感じた瞬間に

 キスされてた。

「――!!」

 無理やり唇をこじ開けて強引に舌をねじ込まれる。

 驚いてもがくけど、ビクともしない。
 逃げないように、頭を押さえられていた。

 なんで、こんなっ!?

 長谷川くんの胸を、
 何度も押されて叩くけど。

 動きまわる舌
 生暖かい唾液。