なんか……近いっ。

 いつもとは全然雰囲気違う彼にどうしたらいいか分からず戸惑う。

「最後には打ち上げ花火が上がるんだって! 楽しみだね」

 漂う空気が耐えきれなくて
 誤魔化すように明るく話してみるけど。

「そうだね」

 目が笑ってないし。

 こんな顔初めて見た。
 いつも笑ってて明るい長谷川くんしか見たこと無いから。

 しばしの沈黙。

 き、気まず……。

「今日、さ」

「うん! 何!?」

 やっと話しかけられて、飛び付くように答えるあたし。

「須田の兄ちゃん、来てたよね」