由真とコナちゃんと別れて、
 電話で聞いてたその場所に向かった。

 長谷川くんが居たのは、人気のない校庭の隅。

「お疲れ様っ。待った?」

 息を切らして近づいていく。

 長谷川くんの表情が暗く見える気がしたけど。

 それは夕闇のせいだと思ってた。

「座って」

 短く答えると、
 隣に座るように促される。

 いつもと違う声色に少し戸惑いながらその低い石段に腰かける。

「……後夜祭、もう始まるよ?」

「うん」

 こっちをじっと見たまま答える長谷川くん。