隣を見ると既に先に歩き出してるお兄ちゃん。

「さぁーて。せっかくだから回ろうか。俺、お化け屋敷入りたいな」

 手にはしっかりとプログラムを持ってるし。

 小さな男の子みたいにワクワクしてる様子が可愛い。

 まぁ、いいか。
 お兄ちゃんの笑顔を見てると嬉しくなって、何でもよくなってくる。ホント、単純なあたし。

 せっかく久しぶりに会ったんだし、今日はとにかく何も考えずに楽しもう!

 そう心に決めるとお兄ちゃんの背中を追いかける。ドタバタながもあたしなりに高校生活初めての文化祭を楽しんでいた。

 まさかこの後にあんなことが待ち受けてるなんて思いもせずに。