手先の器用なお兄ちゃん。颯爽と登場! 両手放して喜ぶあたし。助けて、 お兄様! 「邪魔だから」 笑顔のままさっくりと言い切られてひょいと洗面台から退かされる。 「洗面所、いつまで占領してんの?」 「だ……だって髪の毛が」 ブラシを持ったまま途方に暮れるあたし。お兄ちゃんは、あたしとは正反対のさらさらのストレート。長めな前髪を揺らしてすっと視線を向けられる。