「なんだよ、アイツ……。大丈夫? もう暗いし、俺送ろうか?」

 呆然と立ち尽くすあたしに、
 タカシと呼ばれてたお兄ちゃんの友達が声をかけてくれる。

「あ……。大丈夫です。お母さんかお父さんに連絡しますから」

 そっか。そう答えると階段を見上げた。

「ま、確かに忙しいのは本当だから。何か秀哉、今スゲー色んなことしてんだよな」

 そんな呟きがあたしの耳に届いた時、携帯が震えた。

 背面ディスプレイに文字が流れる。

『from長谷川亮太 sub部活終わった〜!』

 一度確認すると、
 すぐに視線を戻す。