何も嘘がつけない。 そういう空気。 「確かにお兄ちゃんはスッゴい美形だし、頭もいいし、スタイルもいいし、モテるし。完璧だよ」 「だよな……」 目を伏せる長谷川くん。 そう、お兄ちゃんは『完璧』だ。 そして、あたしは『平凡』そのもの。運動音痴の方向音痴、ちなみにかなづち。勉強も中の下。 年も五つ違えば、普通ならなんの接点もない二人。