騙してたような気分、 微かな罪悪感。 「お兄ちゃんは、あたしのお母さんの妹の子供。従兄弟なの」 「え? 従兄弟?」 「そう。家庭の事情で、あたしが小一の時から一緒に住んでるんだ」 「そう、なんだ」 長谷川くんは、視線を外して前を見た。 なんだか納得したみたいな顔。 「でも……従兄弟同士って、結婚できるよな」