言いかけて止まる。 うまく言葉が出てこない。 「うん」 真っ直ぐな目の前の瞳。 ゴクンと喉がなる。 「本当にごめんね。買い物、付き合えなくて」 瞬間、長谷川くんの顔が曇った。 「言ったろ? 買い物を口実にした、デートだって」 男らしい口調でハッキリ言い切る。 いつもは可愛い雰囲気なのに、意外な一面に少し驚いた。 「そ、そっか。あの、せっかく誘ってくれたデートだったのに……ごめん」 あたしにとっても特別な日だった、はずなのに――。