「え? もしかして、男に作ったの、俺が初めて?」 冗談っぽく言われたけど。 図星ですが……何か? 今までまともに好きな人も彼氏もいないし、 特にあたしのお手製のお菓子を欲しがる男子もいなかったし。 なんか、無性に恥ずかしくなって顔全体が熱くなる。 気持ちのいい風があたしの火照った頬をなぜる。 「お父さんと女の子の友達にはよく作るし、評判いいんだけどね〜」 ははは。 もうあたしも冗談めかして笑うしかない。 友達に評判いいのは本当で、 由真は誕プレには必ずあたしの手作りお菓子を欲しがる。