放課後。

 なんだかやたら緊張しながら長谷川くんを見ると、

 バッチリ目が合った。

 ゆっくりと大きな歩幅で、こっちへ近づく。
 いつもと変わらない仔犬スマイル。

「行こっか」

「う、うん」

 背中に由真たちの視線を感じながら教室を後にする。
 
 改めて、お礼を言って、土曜日のこともちゃんと謝ろう。

 どんどん上がる心拍数。

「部活まで時間あるから、中庭行く?」

「あ、う、うん」

 とにかく壊れたオモチャのようにコクコク首を縦に振った。