いつの間にか天辺にあった太陽が斜めに傾いてる。 駅裏のビル街の窓ガラスに反射した光が、目の前の人を立体的に照らす。 その彫刻のように完璧な姿形に魅了されない人なんているんだろうか? あたしは――。 そこで我に返った。 しっかりしろ! あたし。 『兄妹』 『美形』 『高嶺の花』 禁断の三種盛り。 うっかり流されたら最後――漂流するだけだ。 「か、彼女は?」 吸い込まれるような切れ長の大きな瞳から目を逸らして、自制心を必死で呼び戻す。