はぁっはぁっ。

 どくんどくん……。

 息が上がって、体中に早く大きく響く心臓。

 足がもつれて、壁に寄りかかる。

 目を閉じて息を整えた。

 少し落ち着いて、
 見回すと
 そこは、知らない路地。

 あれ……?

「……ここ、どこ?」

 キョロキョロ首を動かすけど、
 まったく見覚えのない風景に今度は不安に心臓が焦りだす。

 背中を伝うヒヤーっと冷たい汗。