そっと振り返ると、腕組みして微笑みながら見下ろしてるお兄ちゃん。わかりづらいけどオーラが黒い。

「ノックしたんだけど? 声もかけたし」

「そ、そうだったんだ」 

どんだけ鈍いんだあたし。

「ごめん、全然気づかなかった……」

 振り向いて、小さく謝るあたしにどんどん近づく整った顔。

「ノートパソコンはリビングで使う約束じゃなかったっけ?」

 唇があたしの耳に触れそうなほど近い。

 み、耳元で囁くの止めてほしいっ。

 激しく動揺するあたしに

「何? もしかして、イケナイサイトでも見てた?」

 さらに追い討ちをかける意地悪な質問。

 俯いたまま千切れんばかりに首を振る。

 きっと今、あたしは耳まで真っ赤だ。

 勘弁してください! お兄様。

「こ、高校のホームページに、クラス別で自己紹介の書き込みできるページがあるって、今日友達に教えてもらったから……」