デートって、デートっていうのは……友達とは、しないよね? うるさく動くのは、あたしの心臓。 思考がうまく働かなくなるから少し黙っててほしい。 どんどん赤くなる顔。 なんか、なんか言わないと――。 「あれ? あそこに居るの、須田の兄ちゃんに似てない?」 その時、 長谷川くんが指差す先に、 その二人はいたんだ。 「うわっ。彼女、めちゃ美人! 二人とも美形って迫力あるなぁ……」 振り向いた長谷川くんの動きが止まる。 「須田?」