お兄ちゃんは――。 「……何それ?」 肩口からヌッと顔が出てきて声を無くす。 「……!!!」 何故? 何? 何で!? 私は驚きと共に咄嗟に書きかけのノートパソコンの画面を体で隠して辺りを見渡した。ここ、私の部屋のはず! 何故あなたがここに!? 「ぉぉお、お兄ぃちゃん、勝手に入って来ないでよ!」 思ったより、強い口調で言ってしまってから、背後の空気に気づいて口をつぐむ。しまった!