「散歩が?

だったら1人ですればいいじゃん」


「そー言う散歩は好きじゃない」

 洋は眉間にたてジワを寄せる。

「機嫌直しなよ。

スッキリしないか?朝のさんぽ」

「じじくさい、似合わないわよ!」

 短い髪をかきむしる。

苛々してる時の癖。

落ち込みと悲しみの真っ只中から、

オレと話を出来るところまで、

上手くテンションが上げられない苛々。

だと思われる。

オレは、

一筋の、

乱れたままの髪を、

直してあげる。