パソコンに向かい、キーを叩く。
数字の羅列とアルファベットに目を凝らす。
あの時以来の感覚。
打ち込む数字が繋がり、僕の思いを少しずつ構築していく。
阿部先生はひたいに滲む汗をハンカチで拭いながら、懸命に指を動かす。
その姿に、日頃の情けない先生の姿は無い。
僕たちの思いに応え、全力で戦う。
ほんの遊び心のように口にしていた拓郎は、笑み一つ溢さず、僕と先生を撮り続ける。
僕には分かる。拓郎は、みんなのために人知れず戦う僕と先生を、どうしても知って欲しいのだ。
瀬戸さんは後ろに立ち、時々僕を励ます。
ずっと立ったままで、励まし続ける。
僕は、瀬戸さんのファンだったことを自慢に思う。
諦めない心、強い意志。
皆の天使アリサは、瀬戸さんそのものだ。
僕たちは絶対に負けない!!
.