株式会社ネオ・アースまでの道は、送風口の上に設置されたカーナビゲーションが教えてくれる。
僕は助手席で膝の上でパソコンを開き、電源を入れる。
「それは、何？」
信号待ちで、手にしているケースを指差して瀬戸さんが訊ねる。
「これですか？
これは僕が小学生の時に遊びで作った、クラッキング用のウィルスが入っているＣＤ－ＲＯＭです。
名前は、チョイス―――」
信号が青に変わり、再び車が動き始める。
「そんな遊びで作ったウィルスを、いったいどうするのよ？」
「このチョイス、実はペンタゴンのメインコンピューターに侵入したんです」
「えええ！？」
瀬戸さんが鼓膜が破れそうなほどの大声を上げ、アクセルを踏み込む。
「あ、危ないですよ・・・」
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