男性は契約書を確認すると、それを机の隅に置く。
僕は、いや僕たちはたかがブログサイトに、スーパーコンピューターだの守秘契約だの、まったく状況を飲み込めていなかった。
「それでは、阿部様とその助手のみなさまに、現在の状況説明と依頼内容をお話し致します。
我が社、株式会社ネオ・アースは、単なるブログサイトを運営している企業ではありません」
どういう意味だ？
ブログサイトの運営以外に、一体何の業務が？
いや、でも確かに、それだけのために、これだけの設備というのも不自然ではある。
「まだ、株式の保有率などの条件をどうするか決定していませんが、この会社は関東電力の一部門なのです。
つまり、分かりやすく説明すると、関東電力のシステム開発部が立ち上げた会社なのです」
その言葉に僕は目を見開いた。
関東電力のシステム開発部と言えば、父の勤務している部署だ。
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