男性は右側にある会議室と書かれた扉を開くと、僕たちをそこに招き入れる。
「こちらに必要な物は準備してありますので、ご自由にお使い下さい」

 室内はうちの15畳のリビングダイニング並みの広さで、その半分ほどの巨大なテーブルに、無数のケーブルで繋がれたパソコンが乗せられている。

「この端末は直接我が社のメインコンピューターに接続されていますから、スペック的に1テラ、スーパーコンピューターと比較しても遜色ありません」

「それで、結局のところ私は何をすれば良いのですか?」
 おいおい、そんな重要なことを知らずに、僕たちを連れて来たのか?
「それは、今から私が説明致します。ただ今から話すことは極秘事項ですので、お一人ずつ守秘契約を締結して頂きます」

 僕たちは意味も分からず差し出された紙にサインすると、その契約書を手渡した。


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