──数週間後


「堆牙、明日な~」

「おぅ」

「バイバイ、堆牙くん」


見事、昂は増永の心を掴み
今はすげぇ幸せそうな2人。

そのせいで最近の俺は
地味に1人で帰ることが増えた。


「た~いが♪」

「里奈」

里奈の後ろには
杏奈(あんな)の姿も。


「今日も1人?」

「悪ぃかよ」

俺は里奈を見上げ微笑む。


「何ならうち等とどう?」

「それは遠慮する」

「何でよ!?」

「ん~…なんとなく、じゃァな」


俺は2人に手を上げ
下駄箱へと足を向ける。