『…っでね、そいつ傷そのままにして帰ってったの。
化膿してなきゃいいけどなぁー…頭だし…
……………死んでたらどおしよッ!!』
「多分大丈夫だから…。
落ち着きな。」
次の日あたしは幼なじみの高田 百合(タカダ ユリ)にあの男の事を話した。
「でもさぁ…葵ー。
その子、かっこよかったんでしょ??
あーぁ…ウチも見たかったなぁ…。」
………確かにかっこよかった。
少しセットされた綺麗な黒髪…通った鼻筋、薄い唇、切れ長の目…。
その目が何故か冷たくて―…ミステリアスなところが魅力的で惹かれる…。
……………ん?!
『惹かれる?!!』
