「ヒオカ先生言ったよね?
あたしに、もっと
わがままになってもいいって」



「うん」


「なら、して」


「…なんで、そうなるの」



なんで?


忘れられない。


抱きしめられたときの、
心地よさ。


キスってすごく、
ドキドキした。

今思い出しても。



恋なんて
したことないから、
わかんないけど、

きっとこんな
あたしの気持ち、
恋なんかじゃないと思う。


だって、
不純すぎるじゃん。




ヒオカ先生は
本気で困惑してた。


迷惑?

それとも、
ちょっとくらいは
良いって思ってる?


でも真意なんて
どうでもいい。



とんでもないこと
言ってんのは
わかってる。



あたしが望むのは
曖昧で特別な関係。


ほんの少しの間だけだから。







家に帰ったら、
咲いていた。

あたしのミニバラ。


咲いた花の色は、
ちょぴり意外だった。